初めてのナイトトレランや長い距離のレースに挑戦するとき、一番不安なのは「明かり」ではないでしょうか。真っ暗な山の中でライトの電池が切れたり、足元が見えにくかったりしたらと思うと怖いですよね。そんな不安を解消してくれる相棒として、多くのランナーに選ばれているのが「マイルストーンMS-i1」です。
この記事では、実際にナイトトレランでマイルストーンMS-i1を使って感じた「明るさ」や「駆動時間」について詳しくレビューします。カタログの数字だけでは分からない、走ってみて初めて気づく使い心地や安心感をお伝えしますね。これから夜の山へ挑むあなたの背中を押すきっかけになれば嬉しいです。
マイルストーンMS-i1とはどんなライト?
まずは、このライトがどんな特徴を持っているのかをざっくりと掴んでおきましょう。マイルストーンは日本のブランドで、日本の山の環境を知り尽くした開発者が作っています。MS-i1は、特に「長時間動き続けること」に焦点を当てて作られたモデルなんです。
日本のブランドが作る「長時間走るための」モデル
海外製のライトが多い中で、マイルストーンは日本の湿気が多い気候や、特有の霧が出やすい環境を考えて設計されています。長時間走るトレイルランニングでは、ただ明るいだけでなく「疲れにくいこと」がとても重要になります。MS-i1は「エンデュランスモデル」という名前の通り、一晩中走り続けるランナーのために開発されました。
最大1000ルーメンの明るさと軽さのバランス
明るさを表す単位であるルーメンですが、このライトは最大で1000ルーメンという強力な光を出せます。車のヘッドライト並みと言われるとイメージしやすいかもしれませんね。それだけのパワーがありながら、バッテリーを含めても重さは約175gに抑えられています。
予備バッテリーとしても使える便利な機能
MS-i1の面白いところは、バッテリー自体がモバイルバッテリーとしても使える点です。スマホの充電が切れそうな緊急時には、ライトのバッテリーから給電できるんです。荷物を少しでも減らしたいトレランにおいて、1つの道具が2つの役割を果たしてくれるのは本当に助かります。
暗い山道でも安心できる明るさなのか?
スペック上の数字がすごくても、実際に山で使ってみて見えにくければ意味がありませんよね。私が実際に使ってみて一番感動したのは、単純な光の強さよりも「見え方の質」でした。なぜ暗闇でも怖さを感じにくいのか、その秘密に迫ります。
足元の根っこや石がはっきり見える理由
山道を走っていて怖いのは、木の根っこや浮石につまずいて転ぶことです。MS-i1の光は、足元の凹凸をくっきりと浮かび上がらせてくれます。影が自然に出るので、地面の状況が瞬時に判断できるんです。立体感がないと足の置き場に迷ってしまいますが、これならリズムよく走り続けられますよ。
霧や雨の日でも景色が白くならない「電球色」
マイルストーン最大の特徴とも言えるのが、この「電球色(ウォームホワイト)」です。一般的な白いLEDライトだと、霧が出た時に光が乱反射して目の前が真っ白になってしまうことがあります。
- 電球色のメリット
白い光だと霧の粒子に反射して視界が遮られますが、電球色は光の波長が長く、霧を突き抜けて遠くまで届きやすい性質があります。車のフォグランプが黄色いのと同じ理屈ですね。ガスっている状況でも路面が見える安心感は、一度体験すると手放せなくなります。
遠くまで照らせるから下り坂も怖くない
トレランの下り坂ではスピードが出るため、足元だけでなく数メートル先まで見通す必要があります。MS-i1は中心部分を強く照らしながら、周辺もふわっと明るくしてくれる配光設計になっています。このおかげで、次に進むべきルートが自然と目に入ってくるんです。
長時間のレースでも電池は持つの?
ナイトトレランで最も恐ろしいトラブルの一つが「電池切れ」です。予備電池を持っているとはいえ、暗闇の中で交換作業をするのはタイムロスだし、何よりストレスですよね。MS-i1が「エンデュランスモデル」と呼ばれる所以は、この圧倒的なスタミナにあります。
朝まで電池交換がいらない「11時間」のスタミナ
驚くべきことに、実用的な明るさである中照度(約260ルーメン)で使った場合、約11時間も点灯し続けます。夕暮れから使い始めても、翌朝の日の出まで電池交換なしでいける計算です。
- 各モードの点灯時間目安
| モード | 明るさ(ルーメン) | 点灯時間 |
|---|---|---|
| MID(中) | 260 | 約11時間 |
| HIGH(強) | 1000 | 約7.5時間 |
| LOW(弱) | 80 | 約17時間 |
多くのランナーがメインで使うのはMIDモードですが、これで一晩持つというのは精神的にすごく楽です。電池残量を気にしながら走るのは意外と疲れますからね。
実際のレースで一番よく使う明るさはどれ?
実際にレースで走ってみると、常に1000ルーメン全開で走ることはほとんどありません。明るすぎると逆に目が疲れてしまうこともあるからです。私の経験では、基本はMIDモードで走り、テクニカルな下り坂や分岐点確認の時だけHIGHモードにする使い方が一番しっくりきました。
電池残量が減っても明るさをキープする仕組み
安いライトだと、電池が減るにつれてだんだん光が暗くなっていくことがあります。これだと最後の方は足元が見えなくて危険ですよね。MS-i1は「コンスタントライティング」という機能を搭載していて、電池が切れる直前まで設定した明るさを一定に保ってくれます。最後まで変わらない視界で走れるのは、安全面でも大きなメリットです。
走りやすさを決める装着感はどう?
明るさや電池持ちと同じくらい大事なのが、頭につけた時のフィット感です。何時間も揺れる山道を走るわけですから、ズレたり頭が痛くなったりしては集中できません。MS-i1はその点もしっかり考えられています。
前と後ろの重さのバランスが良いから揺れにくい
このライトは、ライト本体が前、バッテリーが後ろにある「セパレートタイプ」です。前後に重量が分散されるので、走っていても重さを感じにくくなっています。一体型のライトだとどうしても前側が重くなってお辞儀してしまうことがありますが、これなら激しく動いてもピタッと安定しています。
長時間着けていても頭が痛くなりにくいバンド
付属しているヘッドバンドは幅が広く、伸縮性も絶妙です。締め付けすぎなくてもしっかり止まるので、長時間つけていてもこめかみが痛くなりにくいんですよ。
- バンドの特徴
汗をかいても裏側のシリコン加工が滑り止めになってくれるので、ズレ落ちてくるストレスがありません。地味なポイントですが、レース後半の疲労度が全然違ってきます。
自分の頭にぴったり合わせる簡単な調整方法
バンドの長さ調整も、バックルをスライドさせるだけで簡単にできます。走りながら片手で「ちょっと緩めたいな」と思ったらすぐに調整可能です。帽子の上からつける時と、直接つける時ですぐにサイズを変えられるのは便利ですね。
ボタン操作は走りながらでも簡単?
疲労が溜まってくる深夜の山では、複雑な操作はミスのもとです。MS-i1の操作系は非常にシンプルに作られていて、直感的に扱えるのが魅力です。
疲れている時でも間違えないシンプルな操作
基本的にはメインのボタンを押すだけで点灯し、押すたびに明るさが切り替わります。長押しなどの複雑なコマンドを覚えなくても使えるので、頭が回らなくなってくるレース後半でも迷いません。「押せば点く」という安心感は大事です。
手袋をしたままでも押しやすいボタンの形
冬場のランニングや標高の高い山では手袋が必須ですが、MS-i1のボタンは大きめに作られています。クリック感もしっかりあるので、厚手の手袋をしていても「押した」という感覚が指先に伝わってきます。
走りながら角度を変えるのもスムーズ
足元を照らしたい時、遠くを見たい時、ライトの角度調整は頻繁に行います。この可動部分が硬すぎると走っている最中に変えにくいし、緩すぎると勝手に下がってきてしまいます。MS-i1はこの硬さが絶妙で、片手でスッと動かせて、その位置でピタッと止まってくれます。
予備バッテリーの交換はスムーズにできる?
もしもの時のために、バッテリー交換の手順も確認しておきましょう。レース中に真っ暗闇の中で交換することもあるので、手軽さは重要です。
走りながらでもカチッと簡単に交換できる設計
バッテリーケースは後頭部にあり、ケーブルを抜いて新しいバッテリーに差し替えるだけで完了します。専用バッテリーはクリップ式で簡単に着脱できる構造になっています。
- 交換の手順
- ライトを消灯する
- ケーブルのコネクタを抜く
- 古いバッテリーをホルダーから外す
- 新しいバッテリーをセットしてケーブルを繋ぐ
慣れれば手元を見なくても感覚だけで交換できるくらいシンプルです。これなら焦らずに対応できますね。
専用バッテリーをモバイルバッテリーとして使う方法
先ほど少し触れましたが、このバッテリーにはUSB出力ポートがついています。専用のケーブルがなくても、手持ちのUSBケーブルを差せばスマホや時計の充電ができます。
市販のケーブルが使えるから充電もラク
充電端子は一般的なUSB Type-Cです。専用の充電器を持ち歩く必要がなく、スマホの充電ケーブルをそのまま使い回せるのは荷物が減ってありがたいですね。遠征先でも「ケーブル忘れた!」というトラブルを避けられます。
雨の日でも壊れない防水性能はある?
山の天気は変わりやすく、予報になかった雨に降られることも珍しくありません。電子機器であるライトにとって水は大敵ですが、MS-i1はどのくらいの雨なら耐えられるのでしょうか。
突然の雨でも慌てなくていい防水レベル
MS-i1は「IPX4」という防水規格をクリアしています。これは「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」というレベルです。
- 防水性能の目安
土砂降りの雨の中に長時間放置するのは避けた方がいいですが、普通の雨の中を走る分には全く問題ありません。私も何度か雨のレースで使いましたが、浸水して壊れたことは一度もありませんでした。
汗をかいても壊れにくい丈夫なつくり
雨だけでなく、ランナー自身の汗も故障の原因になります。特に夏場は滝のように汗をかきますよね。MS-i1は充電ポート部分などにしっかりカバーがついているので、汗が入り込んで錆びるといったトラブルも防げる設計になっています。
汚れたバンドは取り外して洗えるの?
泥や汗で汚れたヘッドバンドは、ライト本体から完全に取り外して洗濯できます。毎回清潔な状態で使えるのは気持ちがいいですし、長く使うためにもメンテナンス性の良さは嬉しいポイントです。
他のメーカーのライトと何が違うの?
ヘッドライトにはペツルやレッドレンザーなど有名なメーカーがたくさんあります。その中でなぜマイルストーンを選ぶのか、比較してみるとその個性がよりはっきりします。
白い光のライトと比べて目が疲れにくい
多くの海外メーカー製ライトは「クールホワイト(白色)」のLEDを採用しています。これは明るく感じる反面、長時間見続けると目がチカチカして疲れやすいんです。マイルストーンの電球色は、家の中の照明のように目に優しく、一晩中点けていても目の奥が痛くなりにくいと感じます。
電池持ちと明るさのバランスがちょうどいい
他社にはもっと明るいライトもありますが、その分バッテリーが重かったり、すぐに電池が切れたりします。MS-i1は「トレランに必要な十分な明るさ」と「一晩持つスタミナ」のバランスが絶妙な地点で設計されています。過剰なスペックではなく、実用性を重視している点がランナーに支持される理由でしょう。
日本人の頭の形にフィットするデザイン
海外ブランドのライトだと、おでこのカーブが合わなくて痛くなることがたまにあります。マイルストーンは日本ブランドなので、日本人の頭の形状に自然にフィットするように作られています。この「着けていることを忘れるような感覚」は、長時間走る上で大きな武器になります。
マイルストーンMS-i1がおすすめな人
ここまで見てきて、MS-i1はどんなランナーにぴったりのライトなのでしょうか。私が特におすすめしたいのは次のような人たちです。
初めての夜間走行で不安を感じている人
「夜の山は怖い」と思っている人こそ、この電球色の安心感を味わってほしいです。足元の情報量が増えるだけで、恐怖心は驚くほど軽減されます。
電池交換の手間を減らして走りに集中したい人
面倒な電池交換や、残量を気にするストレスから解放されたい人には最適です。スタートからゴールまで、ライトのことを忘れて走りに没頭できます。
雨や霧のレースに出る予定がある人
山の天気が崩れそうな時、白いライトだと視界が奪われてしまいます。どんなコンディションでも確実に前を見せてくれるMS-i1は、悪天候時の強力な保険になります。
まとめ
マイルストーンMS-i1は、単に「明るいライト」というだけでなく、夜の山を走るランナーの不安をひとつひとつ丁寧に取り除いてくれるアイテムです。電球色の柔らかな光は、暗闇の恐怖を和らげ、長時間持続するバッテリーはゴールまで止まらずに走り続ける勇気をくれます。
スペック上の数字以上に、実際に使ってみて感じる「安心感」こそがこのライトの最大の魅力だと感じました。もしあなたが次のレースやナイトトレランに向けてライト選びに迷っているなら、ぜひこの「日本の夜を知る明かり」を試してみてください。きっと、夜の山がもっと楽しく、もっと身近な場所に感じられるようになるはずです。
準備万端で迎える夜のトレイルは、昼間とは全く違う幻想的な景色を見せてくれますよ。安全装備をしっかり整えて、新しい冒険に出かけましょう。

