ランニングのポイント練習とは?走力アップに効果的なメニューを解説!

ランニング

毎日なんとなく走っているけれど、タイムが伸び悩んでいると感じることはありませんか?もしかしたら、同じペースで走り続けることに体が慣れてしまっているのかもしれません。そんな時に取り入れたいのが、今回解説する「ランニングのポイント練習」です。

いつものジョギングとは違う「効く練習」を取り入れることで、走力は驚くほど変わります。この記事では、初心者でも今日から実践できるランニングのポイント練習の種類や、具体的なメニューの組み方についてわかりやすく解説します。

  1. ランニングのポイント練習とは?
    1. 1. 「いつものジョグ」とは違う特別な刺激
    2. 2. 練習にメリハリをつける重要性
    3. 3. 短期間で走力が変わるきっかけ
  2. なぜポイント練習が必要なのか
    1. 1. 心臓と肺を強くするメカニズム
    2. 2. スピードを持続させる力の養成
    3. 3. レース後半で粘れるメンタル作り
  3. 代表的なメニュー1:インターバル走
    1. 1. 急走と緩走を繰り返すトレーニング
    2. 2. 400mや1000mなど距離の使い分け
    3. 3. 不完全回復で心肺を追い込む効果
  4. 代表的なメニュー2:ペース走(PR)
    1. 1. 一定のリズムを刻み続ける練習
    2. 2. レースペースを体に覚えさせる
    3. 3. 距離走よりも集中しやすい時間設定
  5. 代表的なメニュー3:ビルドアップ走
    1. 1. 段階的にスピードを上げていく走り方
    2. 2. 苦しくなる後半を再現するシミュレーション
    3. 3. ひとり練習でも取り組みやすい理由
  6. 代表的なメニュー4:レペティション
    1. 1. 全力に近いスピードで走るフォーム作り
    2. 2. 休息を完全にとってから次を走る
    3. 3. 大きな動きで走りの効率を上げる
  7. 自分の走力に合った強度の決め方
    1. 1. 最近のレース記録やタイムを基準にする
    2. 2. 「会話ができない」主観的なきつさ
    3. 3. その日の天候や体調による微調整
  8. 1週間のスケジュールへの組み込み方
    1. 1. ポイント練習は週に1回か2回が目安
    2. 2. ポイント練習の翌日は必ず強度を落とす
    3. 3. 週末と平日でメニューを分ける工夫
  9. 練習効果を高めるための準備とケア
    1. 1. 動的ストレッチで関節の可動域を広げる
    2. 2. ウォーミングアップでの「流し」の役割
    3. 3. 終了後のクールダウンと栄養補給
  10. まとめ

ランニングのポイント練習とは?

ポイント練習とは、その名の通り1週間の練習の中で「ポイント(要)」となる高強度のトレーニングのことです。毎日ただ長い距離を走るのではなく、特定の日に負荷の高い練習を行うことを指します。

なんとなく走るジョギングを「つなぎの練習」と呼ぶのに対し、ポイント練習は明確な目的を持って心肺や筋肉に刺激を入れます。これが走力アップへの近道になるのです。

1. 「いつものジョグ」とは違う特別な刺激

ジョギングは心地よく走れるペースですが、それだけではスピードを出すための筋肉や心肺機能はなかなか鍛えられません。ポイント練習では、普段よりも速いペースで走ったり、あえて息が上がる状態を作ったりします。

この「ちょっときついな」と感じる刺激こそが、体をレベルアップさせるスイッチになります。体は強い負荷がかかると、それに適応しようとして強くなる性質があるからです。

2. 練習にメリハリをつける重要性

毎日同じペース、同じ距離を走っていると、体はその負荷に慣れてしまいトレーニング効果が薄れてきます。これを「プラトー(停滞期)」と呼ぶこともあります。

週に数回だけガツンと負荷をかけ、それ以外の日はゆっくり走って疲れを抜く。この強弱のメリハリをつけることで、怪我のリスクを抑えながら効率よく成長できるのです。

3. 短期間で走力が変わるきっかけ

忙しい市民ランナーにとって、練習時間を増やすのは難しいですよね。ポイント練習は短時間で高い効果が得られるため、時間の節約にもなります。

「月間走行距離は変わらないのに、ベストタイムが更新できた」というランナーは、質を重視した練習に切り替えていることが多いです。短い時間で最大の効果を出す工夫と言えます。

なぜポイント練習が必要なのか

きつい練習をあえてするのはなぜでしょうか?それは、ジョギングだけでは届かない領域の能力を伸ばせるからです。具体的にどんな力がつくのかを見ていきましょう。

1. 心臓と肺を強くするメカニズム

速く走ると息がゼーハーと荒くなりますよね。これは体が酸素を大量に取り込もうとしている証拠です。ポイント練習でこの状態を作ると、心臓のポンプ機能が強力になります。

すると、一度の拍動で全身に送れる酸素の量が増えます。結果として、以前は苦しかったペースでも、楽に呼吸ができるようになるのです。これを「最大酸素摂取量(VO2max)の向上」と呼びます。

2. スピードを持続させる力の養成

「最初は速く走れるのに、後半に失速してしまう」という悩みは多いものです。これは、スピードを出した状態で動き続けるスタミナが足りていないことが原因かもしれません。

ポイント練習では、レースペースに近い速さで一定時間を走り続けます。これにより、速い動きを維持するための筋持久力が養われ、最後まで垂れない走りが身につきます。

3. レース後半で粘れるメンタル作り

きつい練習を乗り越えることは、体だけでなく心も強くします。「あれだけ苦しい練習をやり遂げたんだ」という自信は、レース本番で大きな武器になります。

残り数キロで足が止まりそうな時、ポイント練習で味わった苦しさを思い出してみてください。あの苦しさに比べればまだ行ける、と自分を奮い立たせる材料になるはずです。

代表的なメニュー1:インターバル走

ポイント練習の代名詞とも言えるのがインターバル走です。テレビや雑誌で聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。基本的な仕組みと効果を解説します。

1. 急走と緩走を繰り返すトレーニング

インターバル走は、「疾走(速く走る)」と「緩走(ゆっくり走る・ジョグ)」を交互に繰り返す練習です。たとえば「1000mを速く走り、200mをゆっくりつなぐ」を5回繰り返すといった形です。

間のゆっくり走る時間を「レスト(休息)」と呼びますが、完全に止まらないのがミソです。動き続けながら心拍数を少し下げ、またすぐに次の疾走に入ることで高い負荷を維持します。

2. 400mや1000mなど距離の使い分け

走る距離によって鍛えられる能力が変わります。短い距離ならスピード強化、長い距離ならスピード持久力の強化に向いています。目的に合わせて距離を選んでみましょう。

  • 200m 〜 400m
  • 1000m
  • 2000m 〜 3000m

短い距離は動き作りやキレを出すのに適しています。1000mなどの長さは、フルマラソンのタイム向上を目指すランナーにとって王道の距離設定です。

3. 不完全回復で心肺を追い込む効果

インターバル走で一番大切なのは、レストの間に呼吸を整えきらないことです。「もう少し休みたい」と思うタイミングで次の1本をスタートします。

完全に回復させずに走り出すことで、心肺機能に強い負荷がかかり続けます。この「きつい状態」が、心臓を強くする一番のスパイスになるのです。

代表的なメニュー2:ペース走(PR)

ペースランニング、略してPRとも呼ばれます。文字通り、決められた距離を一定のペースで走り続ける練習です。地味ですが、マラソン練習の基本となる重要なメニューです。

1. 一定のリズムを刻み続ける練習

ペース走では、最初から最後まで同じラップタイムを刻むことを目指します。たとえば「1キロ5分ペースで10km走る」と決めたら、速すぎず遅すぎず、淡々とその速度を守ります。

時計を見ながらコントロールする感覚が養われるので、本番でのオーバーペース防止にも役立ちます。一定のリズムで走ることは、省エネ走法を身につけることにもつながります。

2. レースペースを体に覚えさせる

目標とするレースのペース、あるいはそれより少し速いペース設定で行うのが一般的です。目標がサブ4(4時間切り)なら、キロ5分40秒前後のペース感覚を体に染み込ませます。

何度もこの練習を行うと、時計を見なくても「あ、今のペースはこれくらいだな」と体感でわかるようになります。この体内時計の精度が、マラソン攻略の鍵を握ります。

3. 距離走よりも集中しやすい時間設定

長い距離をダラダラ走るよりも、時間を決めて集中して走るほうが質が高まることがあります。ペース走は「20分間」や「30分間」など、時間で区切るのもおすすめです。

これを「閾値走(いきちそう)」と呼ぶこともありますが、20分程度なら集中力が途切れずに頑張れるはずです。「短い時間だけど中身は濃い」という練習ができるのがメリットです。

代表的なメニュー3:ビルドアップ走

ビルドアップ走は、練習の後半にかけて徐々にペースを上げていくトレーニングです。ひとりでも実施しやすく、達成感も得やすい人気のメニューです。

1. 段階的にスピードを上げていく走り方

最初は余裕のあるジョギングペースから入り、体が温まってきたら少しずつペースアップします。そして最後はレースペースか、それ以上の速さで締めくくります。

例えば15km走る場合、最初の5kmはキロ6分、次の5kmはキロ5分半、最後の5kmはキロ5分といった具合です。階段を登るように負荷を上げていきます。

2. 苦しくなる後半を再現するシミュレーション

マラソンは後半に足が重くなり、ペースが落ちやすくなります。ビルドアップ走は、疲れてきた後半にあえてペースを上げるため、レース終盤の予行演習になります。

疲れた状態で体を動かす指令を脳が出すことで、粘り強い走りが身につきます。「きつくなってからが勝負」という感覚を、練習の中で養うことができるのです。

3. ひとり練習でも取り組みやすい理由

最初から全力で走るインターバル走などは、精神的なハードルが高いものです。しかしビルドアップ走なら、入りはゆっくりで良いので「とりあえず走り出そう」という気になれます。

走り出せば自然と体は動くようになるので、結果的に質の高い練習ができます。モチベーションが上がらない日でも着手しやすいのが嬉しいポイントです。

代表的なメニュー4:レペティション

レペティションは、インターバル走と似ていますが目的が少し異なります。全力に近いスピードで走り、しっかり休んでから次を走るのが特徴です。

1. 全力に近いスピードで走るフォーム作り

この練習では、ほぼ全力に近いスピードを出します。心肺機能よりも、速く走るためのダイナミックなフォームや、神経系の回路を鍛えることが主な目的です。

大きなストライドで走ることで、普段使っていない筋肉を刺激します。スピードの「上限」を引き上げることで、結果的にマラソンペースが楽に感じるようになります。

2. 休息を完全にとってから次を走る

インターバル走との最大の違いは休息です。レペティションでは、息が完全に整うまで十分に休みます。疲労困憊の状態で走るのではなく、フレッシュな状態で正しいフォームを維持するためです。

  • インターバル走
  • レペティション
項目インターバル走レペティション
休息不完全回復(ジョグでつなぐ)完全回復(しっかり止まって休む)
目的心肺機能・スタミナ強化スピード・フォーム・筋力強化
強度きついが続くペースほぼ全力

3. 大きな動きで走りの効率を上げる

小さな動きでチョコチョコ走っていると、どうしてもスピードに限界がきます。レペティションで大きな動きを体に覚えさせることで、ランニングエコノミー(燃費)が向上します。

同じペースで走っても、ストライドが伸びれば歩数は減ります。つまり、一歩一歩の負担が減り、長い距離を楽に走れるようになるのです。

自分の走力に合った強度の決め方

ポイント練習は負荷が高い分、設定を間違えると怪我やオーバートレーニングにつながります。自分にとって適切な「きつさ」を見つけることが大切です。

1. 最近のレース記録やタイムを基準にする

目標タイムではなく、「今の自分が出せる実力」をベースに設定します。直近のレース結果や、全力で走った5kmのタイムなどを参考にペースを計算しましょう。

「VDOT」という指標を使うと、自分の走力レベルに合った練習ペースを簡単に割り出せます。今は便利な計算サイトやアプリがたくさんあるので、活用してみるのがおすすめです。

2. 「会話ができない」主観的なきつさ

細かいタイム設定が面倒な場合は、感覚を頼りにしても十分効果があります。ポイント練習の目安は「ハァハァ」と息が上がり、隣の人と会話ができないくらいの強度です。

「きついけれど、あと少しなら続けられる」という感覚を大切にしてください。これを専門用語で「閾値(いきち)」と呼びますが、このラインで走るのが最も効率的です。

3. その日の天候や体調による微調整

設定タイムは絶対ではありません。気温が高い日や湿度が高い日は、同じペースでも体への負担が跳ね上がります。夏場などは設定を落とす勇気も必要です。

「今日は体が重いな」と感じたら、距離を短くしたりペースを落としたりして調整しましょう。完遂することよりも、怪我なく継続することの方が何倍も重要です。

1週間のスケジュールへの組み込み方

実際にポイント練習をどうスケジュールに入れるべきでしょうか。張り切りすぎて毎日行うのは逆効果です。回復の時間も含めて計画を立てましょう。

1. ポイント練習は週に1回か2回が目安

市民ランナーであれば、ポイント練習は週に1回、多くても2回で十分です。それ以上行うと疲労が抜けきらず、怪我のリスクが高まります。

「水曜日にスピード練習、週末に距離走」といったパターンが王道です。週1回でも継続すれば、数ヶ月後には見違えるほど走力が上がっています。

2. ポイント練習の翌日は必ず強度を落とす

高い負荷をかけた翌日は、体がダメージを修復しようとしています。この時に無理をせず、完全休養にするか、極めてゆっくりなジョグで血流を促す程度に留めましょう。

強くなるのは練習している最中ではなく、休んでいる時です。この「超回復」のサイクルを意識することで、練習の効果が体に定着します。

3. 週末と平日でメニューを分ける工夫

平日は仕事で時間が取れないことも多いでしょう。そんな時は短時間で終わるインターバル走やペース走(短め)を行い、時間の取れる週末に長い距離を踏むのがおすすめです。

  • 月:休養または軽いジョグ
  • 火:軽いジョグ
  • 水:ポイント練習(インターバル走など)
  • 木:休養(完全休息)
  • 金:軽いジョグ
  • 土:ポイント練習(距離走やビルドアップ)
  • 日:軽いジョグまたは休養

このようにメリハリをつけると、生活リズムも整いやすくなります。自分のライフスタイルに合わせてパズルを組み合わせてみてください。

練習効果を高めるための準備とケア

質の高い練習をするためには、準備とアフターケアが欠かせません。いきなり全力で走り出すのは、故障の原因になるので絶対に避けましょう。

1. 動的ストレッチで関節の可動域を広げる

走る前は、反動をつけて体を動かす「動的ストレッチ」を行います。肩甲骨や股関節を大きく回して、筋肉の温度を上げ、動きやすい状態を作ります。

じっくり伸ばす静的ストレッチは、筋肉が緩みすぎてしまうため練習後に行うのが正解です。走る前はラジオ体操のような動きでスイッチを入れましょう。

2. ウォーミングアップでの「流し」の役割

本練習に入る前に、100m程度を気持ちよくスピードを出して走る「流し(ウィンドスプリント)」を数本入れましょう。これで体と脳に「これから速く走るぞ」と予鈴を鳴らします。

心拍数をあらかじめ少し上げておくことで、ポイント練習の1本目からスムーズに動き出せます。このひと手間が練習の質を大きく左右します。

3. 終了後のクールダウンと栄養補給

練習が終わったら、急に止まらずにゆっくりジョグやウォーキングをして心拍数を落ち着かせます。その後、使った筋肉をアイシングしたり、ストレッチで伸ばしたりしてケアします。

そして忘れてはいけないのが栄養補給です。練習後30分以内にタンパク質と炭水化物を摂ると、筋肉の修復が早まります。プロテインやバナナなどを上手に活用しましょう。

まとめ

ランニングのポイント練習について解説してきました。言葉だけ聞くとハードルが高そうに感じるかもしれませんが、要は「いつものジョグよりちょっと頑張る日を作る」ということです。

最初は週に1回、短い時間からで構いません。「今日はいい汗かいたな」と思えるくらいの強度から始めてみてください。その積み重ねが、必ず自己ベスト更新という形で返ってきます。

ポイント練習を取り入れると、ただ走るだけの毎日が「目的のあるトレーニング」に変わります。走ることの奥深さや楽しさが、もっと広がるはずです。まずは次の練習で、最後に少しだけペースを上げてみることから始めてみませんか?

タイトルとURLをコピーしました